“ 正解を探す学びから、自分の問いで動く学びへ。 ”
受講生インタビュー
“ 正解を探す学びから、自分の問いで動く学びへ。 ”
Sena Kim
大阪大学4年(受講当時)
大阪大学大学院で人間の認知に関する研究を行う大学院生。学部の4年生の時にCVCCに参加し、現在は学生が社会の中で価値を生み出す経験を得られるコミュニティ「minato」の立ち上げに取り組んでいます。
CVCCに参加したのは大学からの案内がきっかけでした。そこに書かれていた「価値創造を経験できる」という言葉が印象に残ったのです。
当時の私の学びの環境は、インプット型の授業が多く、アウトプットできる場所を探していたのかもしれません。工学部で学んでいたこともあり、実験や研究は多かったのですが、それはある程度プロトコルが決まっていて、その通りに進めていくものが多い。自分の問いから発想して、それを形にしていく経験はあまりありませんでした。だからこそ、自分の考えをもとに企画を生み出し、それを誰かに届けるプロセスを一度経験してみたいと思っていたのです。また、当時は大学院への進学を決めたばかりの時期でもあり、研究とは違う形で自分の思考力やアウトプット力を鍛えたいという気持ちもありました。
CVCCは単にアイデアを出すだけでなく、それを社会の中でどう価値にするのかまで考えるプログラムという点も魅力でしたね。体系立てて学べる、フレームに沿って学べるといったプログラムの特長も知り、「自分が今まで経験してこなかった学びがあるのではないか」という期待感を抱いて参加しました。


プログラムが始まって最初に感じたのは、「自分は本当に考えることができていたのだろうか」ということでした。私が参加した時のCVCCのテーマは鉄道会社から「旅をワクワク・面白くする商品・サービスを考えてほしい」というものでしたが、最初に出した企画は、今振り返るととなりの壁状いろいろな要素を盛り込みすぎて小手先だったと思います。自分としては一生懸命考えたつもりだったのですが、推進役を務める講師の高橋さんから「結局、あなたは何をやりたいの?」と問いかけられた時、うまく答えることができませんでした。その時に教わったのが、企画をシンプルに考えることの重要性です。
CVCCでは「誰のために、何を、いつ、どうするのか」という4Wのフレームで考えることを繰り返します。また、企画のコアを考える際は意識的に自分の経験や感情を振り返ります。その結果、私はある体験を思い出しました。大学3年生の春休みに渡航で農業体験をしたのです。そこではフランスやアメリカから来た方たちと一緒に生活をしながら自然の恵みの中で農作業を手伝いました。言葉も文化も違う人たちと同じ場所で時間を過ごすことがとても新鮮で、ただ作業をするだけではなく、人と出会うこと自体が楽しかった。その経験を思い出した時、自分が深く心を動かされていたのは農業体験そのものではなく「多様な人と出会い、関係が生まれたこと」だったのかもしれないということに気づいたのです。そして、その気づきをもとに企画ゼロからやり直しました。「学生が大学生活の中で実現しやすい形で旅の企画を交換したりできる」コミュニティをつくろう、という思いを抱き「minato」の原型にたどり着きました。
最終発表では、内容を30秒でも伝えられるくらいシンプルにすることを求められましたが、その過程で「本当に大切なことだけを残す」という思考が生まれました。また、この8週間で大きかったのが、講師の高橋さんや一緒に受講した仲間の存在です。最初は、自分に何ができるのかわからない状態での参加でしたが、講師の先生や仲間との対話を通して、自分の中にある思いや経験を少しずつ言葉にできるようになりました。初回の企画も前回になりました。それぞれの企画に対するフィードバックから学ぶことも多かったですね。ちなみに、初回と最終回以外はオンラインのセッションでしたので、私たちは関西で受講することに。みんなでモチベーションを高めながら8週間のプログラムを走り切ることも大切だと思いました。


最終プレゼンが終わった後、私は「この経験を一度きりのものにしたくない」と強く感じました。CVCCのプログラムを通して、自分の思いやアイデアを形にすることの面白さを知ったからこそ、何かを参加して終わりではなく、経験が次につながるようにしたい。だからこそ、自分の考えをもとに企画を生み出し、それを誰かに届けるプロセスを一度経験してみたいと思っていたのです。そこで自ら提案した「minato」を実際に形にしようと動き出しました。大学にはさまざまなプログラムや活動がありますが、それを動かしていくのは、経験が次につながるようにしたいだからこそ、何かを参加して終わりではなく、その経験が次の挑戦へとつなげていくようなコミュニティをつくりたいと、そういう思いから動き始めました。
そこから講師の高橋さんと定期的にミーティングを続けながら、学生向けの説明会やプロジェクトの実験的な取り組みを重ねてきました。また同時に講座の企画も行い、共感してくれる学生の方々と出会えました。また、中小企業の方と連携し、学生チームでYouTubeコンテンツを制作するなど、実際に社会と関わりながら価値を生み出す経験も生まれています。CVCCで学んだ行動の実践をしている。これまでは正解を求められるものばかりでしたが、「とにかく動いてみる」「仲間を見つけていく」ということの大切さを学びました。何かに本気で挑戦したい、新しい一歩を踏み出してみたいと思っている学生にはお勧めのプログラムです。

私にとって推進役の講師は、自分の考えを整理してくれる伴走者のような存在でした。答えを与えるのではなく、「それはなぜ?」「あなたは何がしたいの?」と問いを投げかけてくれる。その問題を通じて、自分の中にある思いや経験を少しずつ言葉にできるようになりました。また、仕事をとても楽しそうにされている方で印象的でした。自分一人では気づけなかったり、ここまで深く掘り下げることはできなかったと思いますし、創意を基にでも新しいことに挑戦し続けている姿を見て、「人は何歳になっても更新し続けられるのだ」と感じられたことも、自分にとって大きな学びだったと思います。