“ CVCCは、私の軸をつくってくれた場所。 ”
受講生インタビュー
“ CVCCは、私の軸をつくってくれた場所。 ”
Karen Higurashi
早稲田大学1年(受講当時)
日暮さんがCVCCを受講したのは早稲田大学社会科学部1年生の時。CVCCでの経験をきっかけに、競技を越え大学生アスリートが交流するコミュニティ「Athlete Hub」を立ち上げ、大学3年生となる現在も活動の場を広げています。
大学に入ったばかりの頃、私は「これをやりたい」と言えるものが見つかっていませんでした。高校生の頃は起業やビジネスに興味があり、プロジェクトを立ち上げた経験もありました。大学に入ってからも学内外のさまざまなプログラムに参加して、とにかく動き回っていました。
たとえば、大手広告代理店が主催する企業連携ワークショップにも参加。企業の課題に対してプロモーションのアイデアを考えるプログラムで、発想の出し方や言語化の仕方など、すぐく勉強になることも多かったのですが、それでも「これを続けたい」と思えるものにはなかなか出会えませんでした。面白い経験はできても、自分の軸になるようなものが見つからない。そんな状態が続いていたのです。
そんな時、大学のメールでCVCCの案内を見つけました。スポーツをテーマにしたプログラムだったこともあり、「自分が長く続けてきた分野なら、何が見つかるかもしれない」と思って申し込むことに。加えて、プログラムの進め方が他と大きく異なる点も魅力に感じていました。他がグループワークを中心に進めるのに対し、CVCCは一人ひとりが自分のテーマを推進役の講師との1対1のセッションで掘り下げながら進めていきます。これなら周囲の学生の目を気にすることなく、自分の思いや経験をすべてぶつけられる。「本当にやりたいことが見つかるかもしれない」と感じたのです。振り返ってみると、このCVCCへの参加が自分の大学生活の大きな分岐点になったと思います。


CVCCの8週間は想像していた何倍も濃い時間でした。企業から与えられたテーマは、女子プロサッカーリーグの観客数をどう増やすかというもの。最初は「どうしたら人が集まるか」というところを考えていたのですが、なかなか自分の中で「これだ」と思える企画は出てきませんでした。その時に私の意識を大きく変えてくださったのが、講師の覚張さんです。二回り以上も年齢が離れていましたが、とても気さくな方で、毎回のセッションで私の心の奥に眠っているものを上手に引き出してくださるのです。
覚張さんがよくおっしゃっていたのは、「その原体験はどこにあるの?」「どういう状態になることがいいか?」という問い。この問いのおかげで私は、企画を出すだけではなく、自分ともっとていねいに向き合うようになりました。そこで改めて、テーマと向き合う前に、自分自身と向き合うように、するとアーティスティックスイミングを13年間続けてきた私にとって、他の競技のアスリートと交流する機会はほとんどなかったという原体験が見えてきたのです。さらに、もし違う競技の選手同士が出会って話すことができたら、どんな刺激が生まれるんだろう、想像するだけで、ワクワクしている自分がいました。そして、この原体験や感情をきっかけに「直接、観客数を増やすための施策」ではなく、「将来、観客を増やす人材を育てる、競技を越えてアスリートが交流する場をつくる」という方向へ、企画自体が大きく変わっていきました。
企業の課題からは大きく外れているように感じましたが、覚張さんは「日暮さんらしくてきっと面白い。いいですね!」と背中を押してくださいました。そこからはイベントの具体的な設計やプロモーションの立案、収益の計算…、経済や投資と言って進めるのは正直大変でしたが、自分がいかにもワクワクする企画だからこそ、途中でやめたいと思うようなことは一度もなかったです。パソコンに向かっていない時間も考える時間も、ふと良いアイデアが浮かんだりすることもあったのです。そうして8週間を走り切った時、これまでのどのプログラムでは感じられない気持ちを抱きました。それは、「やり切った」という達成感ではなく、「この企画を本当に実現したい」という未来への思いでした。


そこで、私は8週間のプログラムを終えたその日に、SNSで「スポーツのプロジェクトを一緒に立ち上げたい人いない?」と投稿しました。すると、その日のうちにリアクションをくれた同じ大学の学生が現れたのです。一緒に話をしてくれたら同じ志を持ってくれていたのです。そこから、さらに大学を飛び出し、プロジェクトに一気に動き出しました。
現在は「Athlete Hub(アスハブ)」という活動として、大学生アスリートが「競技中」も「競技後」も輝ける場所をつくっています。アスリート同士・プロスポーツ選手・企業の方々と出会い、さまざまなイベントを企画・実施するなかで、大学3年生の活動は広がっています。加えて、参加したアスリートから「人生においてがけがえのない体験になった」「毎日アスリートの仲間に会いたいと元気をもらっている」「考えて実行することを大きく変わることができた」という声をもらい、改めてこの活動には価値があると思えました。
今ではイベントも複数回開催し、16大学・25競技以上もの大学生アスリートと出会うことができました。そして、CVCCの講師である覚張さんとも、プログラム終了後も定期的に壁打ちも続けています。こうして改めて振り返ると、あの週間は、単に企画をつくる時間ではなく、自分の軸を見つけて、それを動かし続ける力をもらった時間でした。また、自分の軸が分かってきたことで、起業やビジネスにもっと頑張りたくなりました。「スポーツ界のためになることを伝えたい」という軸のもと、今後もさまざまな挑戦を続けていきたいと思っています。

私にとって推進役の講師は、ひとことで言うと「お父さんみたいな存在」でした。答えを教えてくれるわけではないのですが、私の話を丁寧に聞きながら、言葉になっていない思いをすくい上げてくれる。「それでこういうことをやりたいんだね」「もしこっちの方向だとどう?」と提案しながら、自分の考えの輪郭をクリアにしてくれました。大学の先生とも、コンサルタントとも違って、もっと近い目線で寄り添ってくれる方でした。自分一人では気づけなかったり、ここまで深く掘り下げることはできなかったと思います。